これを禁止事項に入れているサーバはかなり珍しい。
何故なら人狼ゲームというものにおいて、『どこからどこまでが利敵行為か』というのは判断が困難だからである。
基本的に利敵行為というのは行動の結果だけでなく、『当人がその行動による結果を想定し得たか』がポイントになる。
結果論で考えるのは間違いだ。その結果を作った主体がどうであったかを考えなくてはいけない。
分かり易い例を挙げると、例えばこんな状態があったとする。
この時、狩人が『霊能者に投票すれば確実に市民側が負ける』と理解してやったなら利敵行為だ。
サッカーで言えば自陣営にボールをぶち込むようなものだ。
直ちに『ブロック理由=利敵行為』で他参加者からブロックされるだろう。
人狼陣営からは賞賛されるかもしれないが。
しかしこの時、狩人が強く『この狂人は気付いていないが、実は霊能者こそが人狼である』と考えていたとする。
それで狂人はそのまま泳がせておいて、自分もその投票に便乗したとしよう。
これは利敵行為ではない。何故なら自分の行動で市民が負けることは想定し得なかったからだ。
むしろその逆、勝利を確信していたのにも関わらず結果が異なっただけである。
上記は一番分かり易い例だが、こういった『利敵行為である、ない』の議論は統一見解は難しく、幾千も繰り返されている。
乱暴な話、『自分が理解出来ない行動を取ったから利敵行為』と指摘する者も大変多い。
しかし、それは大きな間違いである。
もっと言えば大抵の『利敵行為だ!』という指摘には『負けて悔しい』という感情が伴っている場合が多い。
まあ、そんな訳で水掛け論の泥沼化することが多いのであるが、こう覚えておいて欲しい。
『敵にパスをするサッカー選手は愚かだが、パスカットされた選手は愚かでも何でもない』